ごあいさつ
本日はご来場いただきまして誠にありがとうございます。
当日パンフレットの演出家の言葉なんて、ぶっちゃけどれだけの人が
見ているんだろうかと思いながら、毎回、読んでいただいた稀有な方に
作品のプラスになる言葉をと思って紡いできました。
今回は少しお酒の入ったくらいの、
堅すぎない言葉で思いを伝えてみようと思います。
今作の「介護」「ヤングケアラー」「ALS」という言葉を知らない人や、
知っていても実感のない人、身近な人。
人ぞれぞれ見え方の違うテーマだと思います。
だからこそ悩みました。
どうやってこの限られた時間の中で最大限の思いを伝えるか。
そしてその思いをキャスト・スタッフと共有し創り上げるのか。
結果もう信頼するスタッフ、惚れてご一緒することになった
キャストのみんなを信じて思いの丈を好き勝手描きました。
そして出来上がったこの拙い本を、
私如きの演出能力では形にするにはかなかかの至らなさ具合でした。
ただ、この作品を絶対形にしてやろうと心に決めたスタッフ・キャストの
みんながほんまに大きな愛のある力で形にしてくれました。
大好きなみんなとこの作品を皆様にお届けできることは私の人生の宝物です。
みんなの生きる時間。
私たちに出会えてよかったと思わせます。
teamキーチェーン主宰 Azuki
STORY
村井家には、ロック好きの母(優香子)、優しい長男(圭悟)、
しっかり者の長女(美優)甘えん坊の末っ子(香奈)がいる。
優香子は夫と離婚後、一人で子供たちにたくさんの愛情を持って育ててきた。
美優が高校卒業、香奈が中学卒業を迎える頃、
優香子は身体の異変を感じ病院に行く。
そこで告げられた病名は【筋萎縮性側索硬化症・通称ALS】だった。
子供たちに重く伸し掛かる介護の文字。
経済的支えのために働く圭悟、大学進学を諦め母のケアをする美優、弱っていく母を受け入れられない香奈。
いつ終わるかわからない辛い日々、そして終わりは母の死を意味する。
家族の笑顔がなくなれば、それは病気に負けたことになる。
病気の進行によって声を失くしてしまう前に、
母は子供達に伝えたい思いを自分の声で残す。
「私たちは最強の家族だよ」
苦難に立ち向かい力強く生き抜く家族を描く。
この物語は2012年、村井家の母である優香子がALSの初期症状を感じてからその後約5年間の物語です。
作品上に出てくるもの以外にも、現在までにALS患者の方々をサポートする様々な技術やシステムが開発されています。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは
筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは、神経(運動ニューロン)が障害を受け、
脳から命令が伝わりにくくなることにより筋肉が痩せていってしまう病気。
この病気は進行性で、一度かかると症状が良くなるということはなく、体のどこから症状が始まってもやがて全身が痩せて動かなくなり、自発的に歩いたり呼吸することすら難しくなっていく。
一方で視野、聴覚などの体の感覚、内臓機能などにはほぼ影響がなく保たれている。
原因は神経の老化、興奮性アミノ酸の代謝異常、フリーラジカルの関与など様々な学説があるが結論は出ておらず解明中である。
治療法はなく、進行や痛みを抑える内服薬や点滴があるのみだったが、
2023年4月、アメリカの製薬会社バイオジェンが開発したALS治療薬「トフェルセン」がFDA(アメリカ食品医薬品局)により承認された。
この薬は「SOD1」という特定の遺伝子の変異を原因としたALS患者が対象となっている。
ヤングケアラーとは
本来大人が担うと想定されている、病気や障害のある家族、親族の介護や家事などを日常的に行っている子供のこと。
介護や家事などで忙しくなり、子供として本来享受できたはずの時間が介護などに費やされ、学業や人間関係に影響が出てしまう可能性がある。
比較的子供の家庭の実体についてつかみやすいのは、ヤングケアラー本人が通っている学校の教師などであるかもしれないが、家庭のことは個人情報の問題もあり、学校や教育委員会の方針として本人から話がないと踏み込めないというところも多い。
そのうえ、本人の友達と話が合わなくなっていったり介護の話をしても同年代の子供相手では共感が難しくなってしまうことから、誰にも話せず孤立してしまうこともある。
次回出演
劇団からのお知らせ
スタッフ
脚本・演出 Azuki
舞台監督・舞台美術 宮島カズキ
音響 香田泉(零's Record)
照明 中佐真梨香(空間企画)
大道具 アトリエ 99-1
演出助手 岡田奏
制作 夕貴羽 田中友梨奈 石橋美怜
フライヤー撮影 上野陽立
撮影 yumeha shino
運搬 武田文夫(合同会社三友企画)
宣伝美術 高良紗那
Web 宣伝 今井裕也
稽古場制作 マナベペンギン
楽曲
主題歌
「ゆらりゆられ」
作詞 マナベペンギン
作曲 香田泉
歌 わかばやしめぐみ うえのやまさおり 前田有華
挿入歌
「仰げば尊し」
編曲 香田泉
歌 神谷康太
協力
AND ENDLESS イッツフォーリーズ 一般社団法人日本ALS協会
特定非営利活動法人 ALS/MND サポートセンター さくら会
NPO法人ふうせんの会 大林さや花 おぼんろ 恩田聖敬
株式会社エーアイ 株式会社オールスタッフ 株式会社オレンジアーチ
株式会社JFCT 株式会社Dressers 株式会社B.O.S-Entertainment
株式会社モンスターファーム 空間企画 劇団TEAM-ODAC 杉山知之
零's Record ちょいバミ NAIA Entertainment ネコ脱出
ペルモビール株式会社 B.O.S-Reuse フランスベッド株式会社 MeiMei 有限会社あいあい 有限会社ケアサポートモモ
協賛
日本ALS協会 特定非営利活動法人 ALS/MND サポートセンター さくら会
株式会社ジョー 代表取締役 宍戸英明 株式会社DNワークス 川口有美子
有限会社ケアサポートモモ